お客様の本質的な声を資源に、組織のあるべき姿を
言葉とガイドラインとして策定した案件
BE creation


案件概要
ご相談頂いた内容
組織全体のイメージや文化を形成して、
社内外の関係者に正しく価値観を伝えたい。
“「BE creation」はトヨタで生まれる事業アイデアを、伴走支援・牽引し磨き上げていく新事業創出のしくみ(組織)です。
その規模が拡大していく中、社内外における「BE creation」の在り方が明確に定義されておらず、解釈の不一致が発生していました。また、組織のメンバーが流動的であるため、大切な考え方や想いが残っていかないことも課題です。
BE creation全体のイメージや文化を形成し、社内外の関係者に対してその組織の価値観を伝える、その支援をお願いしたいです。”
案件へのご希望
・今後長期的に見据えたブランディング部分から
コミュニケーションにどう落としていくかの整理を支援
・どういう過程を経て、何をアウトプットするのかから相談したい


案件の向き合い方
必要となった価値
BE creationの事務局メンバーの目線を合わせて
“I主語”を“We主語”に変える
依頼の背景をさらにお聞きしていくと、BE creationの立ち上げの経緯や理念が残されていないことや、今後BE creationを拡張・拡大していく際に何を残し伝えるのかの議論がぶれるといった「コアバリュー不在」の問題にくわえ、社内の他部署への伝え方が統一されておらず、コミュニケーションのずれを生む「共通認識のなさ」も課題の背景にあることがわかりました。
それぞれが主観で語る“I主語”から「私たちは」と語れる“We主語”の言葉へ。事務局全員が納得できるコアバリューを策定し、関係各者とのありたい関係性を言語化するために、BE creationに携わるさまざまなメンバーへの個別ヒアリングを実施し、「BE creationとは何か」を深めるワークショップを行いました。
実行・アウトプットすることになったもの
・個別ヒアリング、ワークショップの実施
・事業定義文、フィロソフィーの言語開発
・開発言語を掲載したポスターの制作
・フィロソフィーのコンセプトブックの制作
・各種ガイドラインの策定



共通認識を高めるために
「BE creationとは何か」を定義する言語開発
事業定義文とフィロソフィーを策定し、
コンセプトブック化
個別ヒアリングとワークショップによって得られた情報を資源に、「BE creationとは」を明確に定義する“事業定義文”を策定しました。お客さまから「総花的(まんべんなく尖りがない)にならないように」「シャープさを出したい」と反応をいただきながら、できる限り「唯一無二性」と「解像度の高さ」に特化したワードを選択していきました。
また、その事業定義文をもとに“フィロソフィー(PMVV:Purpose/Mission/Vision/Value)”を開発。Purpose(存在意義)の言語化では、トヨタの創業の精神「世のため人のため」を、どのように踏まえれば「新事業創出を継続的に行なっていける組織でいられるか」に着目し『「世のため人のため」を問い続ける』としました。
また、事務局メンバー入れ替えの頻度も高いことから、引き継ぎの観点も踏まえた「コンセプトブック」も制作しました。策定したフィロソフィーのみを記載するだけでなく「なぜその言葉を選んでいるのか」という背景説明文も抜け落ちないように掲載することで、新しくジョインする方の理解とずれ軽減にも寄与できるような展開としました。



「BE creation」を社内外にずれなく伝達する
デザイン観点でのガイドラインも精緻化
BE creationのロゴデザインにおける基本ルールもさらに共通理解を深めるべく精緻化しました。ロゴに込められたコンセプトから、カラー規定、アイソレーション、禁則事項、背景色との関係まで、誰が使用してもずれを生まないよう整理していきました。
また、社内外で使用する資料作成のフォーマットも統一化を図りました。「OFFICIAL」「SMART」「CASUAL」と使用シーンを3段階に分け、それぞれのレベルで求められる共通要素を整理し、ルールに縛られすぎず、かつ形骸化しない共通化について熟考し「資料作成ガイドライン」としてまとめました。


現状の成果
言語・ガイドライン策定を終えて
「あり方」について顔を突き合わせて
会話できたこと自体にも価値があった
BE creationに携わるメンバーの方々は、個人としてそれぞれが自律的かつ主体的に動かれるからこそ、さまざまな困難に向き合ってなお、これまでにない価値観を伴った新事業を継続して創生し続けることができていた一方で、メンバー同士がBE creationのあり方について語り合う機会も多くなかったと聞きました。
そういった観点で、ワークショップで議論し導き出されるものに価値があったことはもちろんですが、何より「あり方について顔を突き合わせて会話する」という体験自体にも大きな価値と手応えがあったと、お客さまは振り返っていらっしゃいました。特にフィロソフィー(理念)は開発そのものよりも、浸透し共通言語になってこそ初めて存在意義があります。これからBE creationのDNAや風土となって、有機的に活用いただけることを切に願っています。
PROJECT
- client
- トヨタ自動車株式会社
- launch
- 2025/3〜
- site
- 理念開発、コンセプトブック・ガイドライン策定、ポスター制作
- staff
- Producer 飯田 淳介
- Project Manager/Copywriter 堀田 祐介
- Art Director/Designer 坂本 正隆
- Workshop Facilitator 厚主 壮太